12/30のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2559:追記】例句の「直屋(すごや)」の平面図と外観の画像を見つけましたのでご覧下さい⇒ https://t.co/Qy02Fm3IKv ※ブログ「いわての住まい」より https://t.co/ElgQ8wd0wc
12-30 08:02

@chibanodaijinn 有り難うございます。地震そのものへの危惧もさることながら、それを上回る原発事故への懸念を禁じ得ません。この巨大な魔物の駆逐と新年の安泰を願うばかりです。 https://t.co/aefQbMsTX6
12-30 07:05

@chibanodaijinn お礼言上が遅れて失礼しました。茨城地震に関するお見舞いを頂きありがとうございます。幸い身内や朋友には格別のことがありませんでしたのでどうぞご休心下さい<(_ _)> https://t.co/ltq8ZD5rlK
12-30 06:56

【今日の季語2559:別記⑥】上記の例に見るごとく、言語界では新旧両世代の間で何らかの競合が生じると、旧が新にその座を譲るのが常であり、それは生物界と同様である。旧がその座に恋々とするのは、人間界に多く見られる反自然的所業である。 #jhaiku #kigo
12-30 05:10

【今日の季語2559:別記⑤】そのスグ(直)には、空間的な直線状態を表すのとは別に時間的な近さを表す用法もある。こちらは近代以降の新出来であるが、先住のスグはこの新参者に駆逐されて母屋を譲り、自らはマ(ッ)という屋根の下に居を転ずる羽目となった。 #jhaiku #kigo
12-30 05:05

【今日の季語2559:別記④】直線的なさまを言うマッスグは《完全・正確》の意を表す接頭辞マ(真)をスグ(直)に冠したもので、古くはそれを伴わないスグの形でも用いられた。上記の方言はその痕跡を留める一例でもある。 #jhaiku #kigo
12-30 05:04

【今日の季語2559:別記③】例句の「直屋」はスゴヤと読み、平面が長方形の民家をいう。宮城・岩手・山形などで使用される方言でスグヤから転じたと見られる。他の地域では格別必要のない呼称だが一方に「曲屋(まがりや)」のあるこの地域なればこそ必要な対義語。 #jhaiku #kigo
12-30 05:03

【今日の季語2559:別記②】シメの漢字表記に用いる「注連」は、出棺後に死者の魂が再び家に入るのを妨げるために、縄に清めの水を"注"いで"連"ね張る中国の風習から出た漢語。縄を用いる類似性から日本でこれを借りてシメの熟字訓を与えたのが定着した。 #jhaiku #kigo
12-30 05:02

【今日の季語2559:別記①】シメは古語動詞シム(占)の名詞形で、本来は人事一般について《領有》の意を表した語。それが後に神域への立ち入りを禁ずる標識としての縄に特化され、シメナハと呼ばれるようになった。#jhaiku #kigo
12-30 05:01

【今日の季語2559】注連飾(しめかざ)る:仲冬の生活季語。歳末、門口や神棚などに新しく編んだ注連縄を張り飾ること。正月に迎える年神(としがみ)の領域となる場所を示すために行われる風習。◆曲屋に直屋に同じ注連飾る(佐藤嘉子) #jhaiku #kigo
12-30 05:00

とびぃ
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12/29のツイートまとめ
twryossy

@ootsuru さん、嬉しい御祝詞をありがとうございます。思えば長いお付き合いとなりましたね。霜の声言霊誘う八年目    公彦 冬も漕ぎ行く言の葉の海  宗海 https://t.co/MMiUJ0WCoK
12-29 06:57

@sakuratukiyo #笠着 00》悦子さん、54のお直しのこと、しかと承りました。 https://t.co/cQsWY20D6S
12-29 05:06

【今日の季語2558:別記②】ツイッターに本稿の連載を志したのは2009年の今日。本日はその7周年記念日にあたります。後にFBへの転載も始め、皆様からのRT、コメント、ご投句を力草に連続投稿を続けてきました。今後とも末永いご支援をお願いします。 #jhaiku #kigo
12-29 05:02

【今日の季語2558:別記①】本季語と同じく天象に「声」を結んだものには、同じ三冬の「氷の声」「雪の声」もある。これらについても上記と同様のことが言えよう。 #jhaiku #kigo
12-29 05:01

【今日の季語2558】霜の声(しものこえ):三冬の天文季語「霜」の傍題で「霜の花」「霜日和」などとも。本季語は霜を踏みしめた時の音と見る悟性に従う解よりも、降りた霜から届く声なき声と感覚的に受容するのが似合わしい。◆鐘楼に鬼くる刻か霜の声(高井北杜) #jhaiku #kigo
12-29 05:00

とびぃ
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12/28のツイートまとめ
twryossy

#笠着 00》参考】笠着百韻「飽かぬ色に」の巻の付合は三折表半ばにさしかかり57まで進みました。63を月の座の目安に付け進めましょう。これまでの運びのまとめはこちら⇒https://t.co/mXtxIWfRbS
12-28 06:51

#笠着 32》57 剣玉の美技に見蕩れる石畳 海 56 マロニエ通り並ぶ栃ノ木 屋55 パナマ帽似合ふ男と呼ばれゐて 代 (三夏)54 登山者増へる日本アルプス 悦(晩夏)53 長い列中央線がまた遅延 翠 52 荒ぶる潮の落つる渦底 鯉
12-28 06:48

@sakuratukiyo #笠着 00》吟味が遅くなり失礼。54「増へる」は文語ならば「増ゆ」の連体形にあたる「増ゆる」、口語で行くならば「増える」のいずれかが正格です。 https://t.co/mGEE7Orz5q
12-28 06:38

【歳旦三物2017》予告】年の瀬も押し詰まってきました。2012年以来の恒例となった「歳旦三物」を元日から七日までツイッターのタイムライン上で催しますので有志の方々はご用意下さい。興行要領はこちら⇒https://t.co/dknVUs97rR #kigo #笠着 #3mono
12-28 05:41

【今日の季語2557】寒濤(かんとう):三冬の地理季語「冬の波」の傍題で「冬浪(ふゆなみ・とうろう)」の音訓両形でも。冬の浜に怒濤の押し寄せる荒涼とした場景は日本海側に相応しい。◆寒濤へ木の葉のごとき魚を干す(渡辺輝子) #jhaiku #kigo
12-28 05:00

とびぃ
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12/27のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2556:別記②】例句に「ほのめきぬ」とあるのは、上記の神符に捺されたカラスについて《その姿がほのかに見えている》ということなのか、それとも《見え隠れに姿を見せる》意なのか、周囲の状況を含めていまひとつ把握し難い。 #jhaiku #kigo
12-27 05:02

【今日の季語2556:別記①】例句の「牛王(ごおう)の烏」とは画像に見るような熊野権現の神符「牛王宝印」に捺されたカラス。かつては札の裏に誓詞を記して誓約書などにも用いた。 #jhaiku #kigo https://t.co/FQnndkIKbT
12-27 05:01

【今日の季語2556】札納(ふだおさめ):仲冬歳末の行事季語。病気や災難を遁れるために、門口などに貼り置いた古い護符を寺社の納札所に納め、翌年の新しいお札を受けること。◆札納牛王の烏ほのめきぬ(松瀬青々) #jhaiku #kigo
12-27 05:00

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12/26のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2555:別記③】上記の変化をもたらした背後には、本来「み/ずし」と分析されるべき語源が忘却され、これを《水仕事》と結び付けて「みず《水》/し《仕》」と分析する語源解が働いていたと推測される。 #jhaiku #kigo
12-26 05:03

【今日の季語2555:別記②】それが後に、貴人の家で水仕事をする召使の女性の名称から下働きの女性一般のそれへと拡散するにつれて語義価値の低下を生じた。 #jhaiku #kigo
12-26 05:02

【今日の季語2555:別記①】例句に出る「水仕(みずし)」とは、かつて台所の下働きなどをする下女を指した名称。古くは宮中の飲食に関する業務を司る「御厨子所(みずしどころ)」の女官を「みずし」の略称で呼んだところにその起源がある。 #jhaiku #kigo
12-26 05:01

【今日の季語2555】暮早(くれはや)し:三冬の時候季語「短日」の傍題で「暮易し」とも。秋分を過ぎて次第に日が短くなり最短日の冬至に至るが、日没時刻のみに限れば12月を迎えた前後がもっとも早い。◆水仕とは母の世のこと暮早し(土田 栄) #jhaiku #kigo
12-26 05:00

とびぃ
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12/25のツイートまとめ
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#笠着 00》参考】笠着百韻「飽かぬ色に」の巻の付合は三折表に入り53まで進みました。63を月の座の目安に、夏冬の季を適宜交えながら付け進めましょう。これまでの運びのまとめはこちら⇒https://t.co/mXtxIWfRbS
12-25 06:23

【今日の季語2554】終天神(しまいてんじん):仲冬の行事季語。京都北野天満宮の祭神菅原道真の忌日にちなんで毎月25日に催されるその一年最後の縁日。同月21日に東寺で行われる「終大師」と並び称される。◆筆買うて終ひ天神果たしけり(仁藤綾子) #jhaiku #kigo
12-25 05:00

とびぃ
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12/24のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2553:別記②】コルと対峙する類義語の動詞としてカル(刈)が存在する。両者は頭母音の交替によって語義の分化を生じたと見られる。さらにもう一つの動詞キル(切)も同じ視野に置くべきであろう。 #jhaiku #kigo
12-24 05:02

【今日の季語2553:別記①】古代日本語では《木を伐る》意を表すコルは単独の動詞としても用いられたが次第に退化し、後代には複合名詞キコリ(樵)の中にその姿を留める存在となった。「年木/樵り」と分析される本季語は、これを別の形で伝える希少例。 #jhaiku #kigo
12-24 05:01

【今日の季語2553】年木樵(としきこり):仲冬の生活季語で「年木積む」とも。新年に焚く薪をいう「年木」を年末に切り出すこと、またその仕事に携わる人。往時は新年を迎える大事な作業であった。◆背袋にあまる手斧や年木樵(楠目橙黄子) #jhaiku #kigo
12-24 05:00

とびぃ
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12/23のツイートまとめ
twryossy

#笠着 00》参考】笠着百韻「飽かぬ色に」の巻の付合は49まで進みました。これを承けて春季を少なくとも2句は続けましょう。これまでの運びのまとめはこちらにあります⇒https://t.co/mXtxIWfRbS
12-23 17:42

#笠着 32》49 湯暖簾の外は暮れゆく花の宵 海(晩春/花) 48 勝手知つたる小路抜裏 屋47 街中をモンスターども追いかける 水 46 熱意の成果品種新たに 鯉 45 沈思して厠の窓に月を見る 海(三秋/月) 44 地獄の門に拾ふ銀杏 代 (晩秋)
12-23 17:35

@syosui24 #笠着 00》47のご訂正お手数でした。このこと承りました。 https://t.co/bPmyMyzaUx
12-23 17:03

【今日の季語2552:別記②】上記の三人はいずれも同門のホトトギス派俳人。この表現には"ホトトギス方言"とでも称したいような匂いが感じられる。 #jhaiku #kigo
12-23 05:02

【今日の季語2552:別記①】例句の「といふといへども」という言い回しは、同じ作者の「広縁といふといへども今日酷暑」にも見え、さらには「残雪といふといへども深かりし(成嶋瓢雨)」を経て「白牡丹といふといへども紅ほのか(高浜虚子)」に辿り着く。 #jhaiku #kigo
12-23 05:01

【今日の季語2552】寒厨(かんちゅう):仲冬の生活季語。「かんくりや」と重箱読みにした五拍形も。かつての寒々とした冬の台所の佇まいは、設備の整った昨今のキッチンからは遠い隔たりがある。◆寒厨といふといへどもトマト五個(阿波野青畝) #jhaiku #kigo
12-23 05:00

とびぃ
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12/22のツイートまとめ
twryossy

歳旦三物2017》予告03】興行を始めた2012年以降の作品はこちらからご覧頂けます⇒ https://t.co/yN3lc9oduM※過去の記事にさかのぼるには、画面最下段の「タップしてさらにツイートを読み込む」をクリック #kigo #笠着 #3mono #jhaiku
12-22 05:52

歳旦三物2017》予告02】「三物(みつもの)」とは連句の「発句・脇句・第三」の三句を指す名称。新春を祝って詠ずる独吟付合を「歳旦三つ物」と称します。作品に #3mono のタグを添えてお寄せ下さい。#kigo #笠着 #3mono #jhaiku
12-22 05:44

歳旦三物2017》予告01】今年も残り少なくなりました。恒例となった「歳旦三物」を元日から七日までツイッターのタイムライン上で催しますので有志の方々はご用意下さい。興行要領はこちらをご覧下さい⇒https://t.co/PiGI1SZyOZ #kigo #笠着 #3mono
12-22 05:43

☆★☆「歳旦三物2017」興行要領 ☆★☆ #3mono https://t.co/dknVUs97rR
12-22 05:40

【今日の季語2551:別記②】例句の「さヾい」の表記は原文のまま。「さざえ」の古形が後に「さざい」に変化したことを示す。『日葡辞書』(1603)に"Sazai"のローマ字表記が見えるのを始め中近世の文献ではこれが通用の形であった。 #jhaiku #kigo
12-22 05:02

【今日の季語2551:別記①】越人の例句は『曠野(あらの)』巻六に収める吟。「荘子」の一節を前書に置いて《堅い殻に籠もっているサザエも師走の市にはその殻ごと売られてしまう》意を詠んだもの。 #jhaiku #kigo
12-22 05:01

【今日の季語2551】師走の市(しわすのいち):仲冬の生活季語「年の市」の傍題で「暮の市」「節季市」とも。正月の飾り物や縁起物などを売るために歳末に立つ市。神社や寺の門前で開かれることが多い。◆殻ながら師走の市に売るさヾい(越人) #jhaiku #kigo
12-22 05:00

@syosui24 #笠着 00》47 良い転じ味ですが、中七の字足らずと「を」の重なりにもうひと工夫欲しいですね。 https://t.co/xlZzqcbJfd
12-22 04:43

とびぃ
一般
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12/21のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2550:別記②】例句に言う「五欲」とは仏教語で欲望を引起す原因となる「五感」の対象にあたる「色(形体のある物質)・声・香・味・触」を指すのが本義。その全てを捨てようというのではなくどれを残そうかとしたところが面白い。 #jhaiku #kigo
12-21 05:02

【今日の季語2550:別記①】冬至と柚子湯の関係は明らかでないが、「冬至」に「湯治」の語呂を合わせて、入浴して無病息災ならば"融通"が利くの意を「柚子」にこじつけたという珍解がある。 #jhaiku #kigo
12-21 05:01

【今日の季語2550】冬至湯(とうじゆ):二十四節気の一つ「冬至」を取り入れた生活季語で「柚子湯」の傍題。ユズの実を風呂に浮かべて来年の無病息災を願う風習は江戸期の銭湯に始まるとされる。◆冬至湯や五欲何捨て何残す(林 翔) #jhaiku #kigo
12-21 05:00

とびぃ
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12/20のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2549:別記②】傍題「雪模様」の「模様」は「空模様」と同じく《天気の様子》の意を表すが、この漢語には本来この意味はなく、和語のモヨフとの混同によって後代に新たな語義を生じたという(柳田国男「毎日の言葉」)。 #jhaiku #kigo
12-20 05:41

【今日の季語2549:別記】モヨヒ(催)は名詞の下に付いてその兆しが見える意を表す古語。これと同源の動詞モヨホス(催)にも「尿意を催す」のような用法があるので、動詞モヨフから派生した名詞と見られるが、文献上からはこの動詞の存在は確認できない。 #jhaiku #kigo
12-20 05:01

【今日の季語2549】雪催(ゆきもよい):三冬の天文季語で「雪気(ゆきげ)」「雪模様」などとも。底冷えがして今にも雪が降り出しそうな空模様をいう。「雪気」と同訓の「雪消」は仲春の別題。◆湯帰りや灯ともしころの雪もよひ(永井荷風) #jhaiku #kigo
12-20 05:00

とびぃ
一般
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12/19のツイートまとめ
twryossy

#笠着 32》45 沈思して厠の窓に月を見る 海(三秋/月) 44 地獄の門に拾ふ銀杏 代 (晩秋) 43 老蝶の憑かれたごとく舞う広野 屋(三秋)42 接ぎ穂も尽きて秋の初風 翠(初秋)41 出来過ぎの見合写真のうらめしき 葛(恋)☆ロダンの「考える人」の連想がトイレへ^^;
12-19 05:40

【今日の季語2548:別記②】江戸期の俳書『糸切歯』(1762)に「誹諧にては、ただ寒に苦しむ鳥と心得るべし」として、経典の本説にこだわらず一般の鳥のこととして詠んでも差し支えないとする「師説」を引用する。肯首すべき見解であろう。 #jhaiku #kigo
12-19 05:02

【今日の季語2548:別記①】本季語は雪との関わりから三冬とされるが他の季語との併用も多く、例句も「餅」が本題。なお「餅つかふ」は《餅を搗こう》の意で「餅つ(搗)かう」が正格の表記。 江戸期には助動詞「う」に「ふ」の仮名を当てることが多い。 #jhaiku #kigo
12-19 05:01

【今日の季語2548】寒苦鳥(かんくちょう):経典に出る想像上の鳥。インドの雪山に住み、夜の寒さに苦しめられ夜が明けたら巣を作ろうと鳴くが、昼はそれを忘れる、その姿を衆生の懈怠(けたい)の戒めとした。◆寒苦鳥明日餅つかふとぞ鳴けり(其角) #jhaiku #kigo
12-19 05:00

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12/18のツイートまとめ
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@Y7Nan #笠着 00》44にもまた、43初案と同じく19「おどろかし」との遠輪廻の難がありますね。 https://t.co/GURRHtLrCU
12-18 07:16

@sportypoppa #笠着 00》43の訂正承りました。両義に解されることを意図的に狙ったとのこと、前句に用いられた詞の多義性を活用するのは転じの手法としては有効ですが、一句内でそれを行うのはどうかと考えた次第です。 https://t.co/kUK6Axgjmg
12-18 07:11

【今日の季語2547:別記③】例外となる上掲三語は、いずれも「シロ」に続く拍が/a/を含む共通点があり、そこに規則性があるようにも見えるが、一方にはシラガ(白髪)・シラタマ(白玉)・シラハマ(白浜)などの交替例があるのでこの仮説は成立しない。 #jhaiku #kigo
12-18 05:29

【今日の季語2547②】この言語現象はほぼ規則的に起きるものではあるが、シロカネ(銀)・シロカミ(白髪)・シロタヘ(白妙)などのようにそれが見られない事例もあり、絶対的なものではない。 #jhaiku #kigo
12-18 05:02

【今日の季語2547①】名詞や形容詞ではシロの形を取る「白」が、「白糸」「白雲」「白雪」などの複合名詞でシラに転ずるのは、母音/o/と/a/が交替するもので、古代日本語に見られる「母音交替」と呼ばれる言語変化の一つである。 #jhaiku #kigo
12-18 05:01

【今日の季語2547】白息(しらいき):三冬の生活季語「息白し」の傍題で「白き息」とも。冬に人や動物の呼気に含まれる細かい水蒸気が、周囲の冷えた空気によって凝固し白く見える、その息を言う。◆乳の香の白息漏らす宮参り(太秦女良夫) #jhaiku #kigo
12-18 05:00

とびぃ
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12/17のツイートまとめ
twryossy

@sportypoppa #笠着 00》43改案お手数でした。これならば問題はありませんが、「つかれた」は「憑かれた」「疲れた」いずれにも解されますので、漢字表記に従って語意を固定した方がよいかと。 https://t.co/nEtvOVVDqk
12-17 18:09

【今日の季語2546:別記③】例句の「比良」は滋賀県の琵琶湖西岸に連なる山地の呼称。「奥山に比良持つ里」とは《「里」の奥山に比良の山がある》の意で、「比良持つ」が句眼というにふさわしい的確な表現。 #jhaiku #kigo
12-17 06:29

【今日の季語2546:別記②】これは「深山」をミヤマと読む事例についても同様で、両語の間には何らかの干渉があってかかる結果を生じたものであろう。未見ではあるが「深里」をミサトと読ませる事例もありそうな気がする。 #jhaiku #kigo
12-17 05:02

【今日の季語2546:別記①】「深雪」は女性名などに好まれる佳字表記で、「深」字にミの訓があるかのような錯覚に囚われるが、実はさにあらず。ミユキとは雪の美称《御(み)雪(ゆき)》が本義で、《深く積もった雪》の意は後代に生じたもの。 #jhaiku #kigo
12-17 05:01

@sportypoppa #笠着 00》43 折角のご出句だったのですが、19に「案山子」の傍題「おどろかし」が出ているので、遠輪廻になるのが残念です。 https://t.co/WGBEZ11gns
12-17 05:00

【今日の季語2546】深雪(みゆき):三冬の天文季語「雪」の数多い傍題の一つ。深く降り積もった雪を言う漢語「深雪(しんせつ)」にこの読みを当てたのが熟字訓として定着した。◆奥山に比良持つ里の深雪かな(松根東洋城) #jhaiku #kigo
12-17 05:00

とびぃ
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12/16のツイートまとめ
twryossy

@yancha0313 私はだいたい3時に起きて珈琲を淹れてからひと仕事して、朝食後に30分ほど朝寝をして再びパソコンに向かいます。朝寝はパソコンをリセットしたような効果がありますね(^_^)v https://t.co/WVAG5nb8Wb
12-16 13:10

【今日の季語2545】浮寝(うきね):三冬の生類季語「水鳥」の傍題の一つ。水鳥が水上に浮いたまま眠る姿をいう。「憂き寝」の意を掛けて独り寝の憂さを詠む恋の詞として古くから歌人に好まれてきた。◆波寄せてよせても遠き浮寝かな(近藤良郷) #jhaiku #kigo
12-16 05:00

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12/15のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2544:別記②】上記の擬態語「ぼろぼろ(と)」は、キリシタン資料『日葡辞書』(1603)に「Boroboroto.着物が破れているさま」の記事があり、中世末期にはすでに使用されていたことが知られる。 #jhaiku #kigo
12-15 05:02

【今日の季語2544:別記①】物が破れているさまをいうボロは擬態語「ぼろぼろ」から出た語。江戸期の『口よせ草』(1736)の「売り手さへ時宜(じぎ)するぼろを買て行く」はその比較的早い例。漢語「襤褸(らんる)」の借用表記は明治期以降か。 #jhaiku #kigo
12-15 05:01

【今日の季語2544】襤褸市(ぼろいち):仲冬の生活季語で本題「世田谷のぼろ市」の短略傍題。東京世田谷の祭礼で旧代官屋敷門前に立つ歳末市。かつては古着の売買を中心に行われたことからこの名が出た。◆ボロ市や空を映して鏡売る(長嶺千晶) #jhaiku #kigo
12-15 05:00

とびぃ
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12/14のツイートまとめ
twryossy

#笠着 00》参考】笠着百韻「飽かぬ色に」の巻の付合は二折裏の39まで進みました。45を月、49を花の座の目安として適宜夏冬の季を交えながら付け進めましょう。これまでの運びはこちらに⇒https://t.co/mXtxIWfRbS
12-14 07:09

#笠着 32》39 じりじりと水位の上がる温暖化 海 38 南の島に船は泊まりて 代 37 絡みつく蔓にジャスミン香の甘く 鯉(晩夏) 36 あれが噂の三代目とや 葛 35 ささくれて立ち去り際に捨て台詞 翠
12-14 07:03

【今日の季語2543:別記】まことに面映ゆい仕儀ながら、本日の例句には筆者の作を掲げた。往昔、欧州ツアー旅行でイタリアを訪れた際に、ナポリ湾を展望する丘の上で見た冬の虹の姿を詠んだもの。 #jhaiku #kigo
12-14 05:01

【今日の季語2543】冬の虹(ふゆのにじ):三冬の天文季語。ひと時雨あった後などに思いがけない姿を見せるところから「しぐれ虹」の傍題でも。三夏の「虹」とは異なる儚(はかな)い美しさが。◆あるかなきかに冬の虹立ちにけり(林 宗海) #jhaiku #kigo
12-14 05:00

とびぃ
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12/13のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2542:別記②】例句の「明るうす」は《明るくする》意の文語的表現で、「明るく」の音便形「明るう」にサ変動詞「す」を続けた形。 #jhaiku #kigo※画像はWikipedia「こも巻き」より
12-13 05:02

【今日の季語2542:別記①】鏡開きに用いる酒樽を菰で包む作業も「菰巻」と呼ばれるが、こちらは季語としての扱いは受けない。添付映像はその作業を録画したもの⇒https://t.co/nG2vBPZ7f4 #jhaiku #kigo
12-13 05:01

【今日の季語2542】菰巻(こもまき):仲冬の生活季語。本題「藪巻」が雪折れを防ぐために筵や縄で低木を囲う作業を指すのに対して、こちらは庭園の松の木などに菰を巻き付けて害虫を駆除する作業にあたる。◆菰巻を終へ大寺を明るうす(谷口みちる) #jhaiku #kigo
12-13 05:00

とびぃ
一般
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twryossy

【今日の季語2541:別記】キリシタン資料『日葡辞書』(1603)にはこの呼び名が「タカジャウ」のローマ字綴りで表記されているほか、各地の旧城下町に残る町名にもこの語形が保存されている。タカショウと清音に読むのは由緒正しくない。 #jhaiku #kigo
12-12 05:01

【今日の季語2541】鷹匠(たかじょう):三冬の生活季語で「鷹師」とも。タカを飼い慣らして野兎や野鳥を捕らえる「鷹狩」に従事する人の呼称。江戸期がもっとも盛んで近代以降はほとんど姿を消した。◆鷹匠と親しめば鷹われの手に(村松紅花) #jhaiku #kigo
12-12 05:00

とびぃ
一般
0 0

【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻解題06(名残折裏折立から挙句まで)
sisramizu02.jpg
※画像はブログ「勝手にいわきガイド/白水阿弥陀堂」より転載


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10


  発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
  脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
  第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
  四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
  五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
  折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏
初裏
  折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏
  二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
  三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
  四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
  五  難問が解けて空には冬の月        糸 冬/月
  六   誕生なるか女性領袖          山 雑
  七  移り香のスーツに残る帰り道       女 雑/恋
  八   逢瀬重ねる焼肉の店          輔 雑/恋
  九  迷惑は口先だけとすぐに知れ       海 雑
  十   相槌打つもうはのそらなり       糸 雑
  十一 ジグソーのゴジラ仕上がる花明り     山 晩春/花
  折端  縞のキルトに蒲公英の絮        女 三春
名残表
  折立 いかめしも開通を待つ春の駅       輔 三春
  二   港目指して下る坂道          海 雑
  三  園児らのラジオ体操靄晴るる       山 雑
  四   集ふママ友尽きぬおしゃべり      糸 雑
  五  家事番は草むしりなど屁の河童      輔 晩夏
  六   女形の台詞やっと覚える        女 雑
  七  寝乱れの顔を繕ふ隠れ宿         海 雑/恋
  八   咬み痕なぞる紅差しの指       執筆 雑/恋
  九  ペアカップ割って後ろは振り向かず    糸 雑
  十   賽は振られつ渡るルビコン       輔 雑
  十一 望月のさやかに照らす島の影       女 仲秋/月
  折端  琵琶を弾じてしばし秋興        海 三秋
名残裏
  折立 山の湯は合掌造り紅葉焚く        糸 晩秋
  二   御堂の池を過(よぎ)る天雲       筆 雑
  三  石垣の崩れに残る夢の跡         女 雑
  四   眼下の街に飛ばすドローン       輔 雑
  五  散る花にゆふべのこころ遥かなる     海 晩春/花
  挙句  霞隔つる幽明の境           筆 三春

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


名残裏
  折立 山の湯は合掌造り紅葉焚く        糸 晩秋


膝送りはいよいよ最終七巡目入り。名残裏折立は3飛び早番の糸さん。打越に仲秋、前句に三秋と続いた秋を承けてもう一句秋を続けましょう。前句が打越の場の句から人情を起こしたので、それを承けて人情句を続けます

ところが、この条件を呈示した翌日の11月25日朝に俊輔氏からメールがあり、それには、今朝から禿山氏の呼吸が荒くなり容態が悪化して予断を許さない状況にある旨のメールがご夫人から届いた、ということが記されていました。
かねてより覚悟はしていたものの、禿山氏の命の灯が今まさに消えなんとしていることを知り、暗然たる思いに囚われながら、目下進行中の付合をしばらく停止して氏のご様態を見守りつつ平安を祈念したい旨をご連衆一同に伝えました。

しかし本復の望みも空しく、同日午後、再び俊輔氏から14時40分に禿山氏が逝去されたことを伝えるメールが届きました。また、葬儀は氏の強い希望により内輪に執り行われる運びとなるということでしたので、せめてもの連衆の弔意の徴(しるし)をお届けしようという衆議に決し、次のような弔電を「いわき文音連句連衆一同」の名でご夫人宛に発信しました。
===
ご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます。和男様の発句で始まり目下進行中の作品の完成を待たずに旅立たれたのはまことに残り多いことですが、最期まで付合を楽しまれたことがせめてもの慰めです。安らかな永遠の眠りに就かれるよう願ってやみません。
===

葬儀が済んだ後も連衆ともども、心に大きな穴が空いたような満たされぬ想いを抱きながら日々を過ごしていましたが、氏が最期の刻まで気遣われていた一巻の付合をいつまでも停止しておくに忍びず、初七日の明ける日を期してこれを再開することにしました。
また図らずも、同報メール宛先に残されていたアドレスに届いていた禿山氏宛の文音メールを、ご夫人がお読み下さっていたことを知ったので、今後もその状態を保持したまま、挙句に至るまでの運びをご覧頂くことにしました。一巻満尾を待たずに旅立たれた禿山氏の無念さへの、せめてもの慰めとならんことを願うばかりです。

付合停止が解除されて間もなく、遊糸さんから折立候補5句の呈示があり、その中から初案「紅葉初む集う友あり炉端焼き」を選り出しました。数年前に禿山氏も加わって故郷の山深い鉱泉旅宿で開かれたミニクラス会の思い出を句材としたものと見ました。残念ながら「集う友」が名残表四句目に出た「集うママ友」の繰り返しになるため「輪廻」の難を免れません。また食物の句材もすでに「酢物」「焼肉」と二度出ています。またこれは差合ではありませんが、「紅葉初む」は「初紅葉」の同類に当たるので、季は晩秋ではなく仲秋と見なすのがよいでしょう。
かかる吟味の結果、食物の句材を、その折に見た、山宿に移築されていた「合掌造り」に差し替え、さらに亡友の俳号「山」字を隠し題として潜める趣向を構えてみました。
「琵琶」とそれに映りの良い「合掌造り」が溶け合い、亡友との団欒のひと時を懐かしく思う心の籠もった付味の良い折立が生まれました。

  二   御堂の池を過(よぎ)る天雲       筆 雑

二句目は禿山氏の付番にあたる句所ですが、兼ねての運行目論見に従って捌の分身にあたる執筆が代役を務めることにします。
前句の「山の湯」から、その近くに立つ、白水阿弥陀堂の通称で名高い願成寺庭前にある蓮池の場景を浮かべました。この寺院は平安時代末期の建築で、県内唯一の国宝建築物に指定されており、ここにもまた禿山氏の思い出が色濃く残っています。そこの池に映る雲の姿に天上の友の姿を擬えました。
なお、このような内輪の話をご存じない方々にも、「山の湯」から「御堂」への付筋は格別の違和感なく受け止めて頂けるものと見定めました。

  三  石垣の崩れに残る夢の跡         女 雑

名残裏三句目は3飛び早番笑女さんの付番。前句の雑を続けましょう。打越には微かながらも人情自の要素が認められるので、人情を加えるならば、他もしくは自他半、あるいは場の句を続けても差し支えありません。
なおまた、ここまでの付合数句に、禿山氏を偲ぶ思いが付心として働いているのは覆うべくもない事実ですが、付合の運びの面からは、それを可能な限り内に秘めて、詞の上には露わにしないのがよいでしょう。
間もなく笑女さんから呈示された三句目候補5句の中では、初案「古校舎石垣のみの城の跡」を良しと見ました。ただし式目の面から言えば「古校舎」が《建物》の要素を含む「居所」として、打越の「合掌造り」に障ります。
そこで本句の《城跡》の要素を活かして掲句のような一直案を浮かべ、これをもって治定としました。下五「夢の跡」は、ひと目でそれと知れる、芭蕉の「夏草や」句の本句取りです。これに故郷いわき市旧城跡に今も僅かに残る、磐城平城の石垣の場景を配しました。
終局を穏やかに迎える名残裏にふさわしい趣を湛えた三句目が生まれました。

  四   眼下の街に飛ばすドローン       輔 雑

四句目は、お待ち兼ねの5飛び遅番俊輔氏にお願いします。雑をもう一句続けること、場の句が二句続いたのでここは必ず人情を起こすことを条件として呈示しました。また、前句には《戦乱》の糸口が潜んでいますが、付合がここに至ったからには静かに終局を迎えることを目指して、波乱には及ばないよう注意を払いたいところです。
俊輔氏から提出された候補5句の中から、初案「町一望に飛ばすドローン」の離れ味をもっとも良しと見ました。本句の自解に「平の城跡」とあったのは、戊辰戦争の折の磐城平藩落城の状況を描いた氏の近著『坊主持ちの旅』(北海道出版企画センター)の取材に当地を訪れたことを示すものです。前句への付心に「其場」の手法を用いて、よい味を出しています。なお上七「町一望に」の表現にもうひと工夫あってしかるべしと判じて、これに一直を加えて掲句の句形に治定しました。
作者が自らのこととして表現した人物が、落城によって焼失した天守閣跡の「物見が丘」と呼ばれる高台にいることを、「眼下」によって暗示する人情自句です。
飛行体にことのほか造詣が深かった禿山氏が、故郷の街の上空にドローンを飛ばす姿を想像させるような、追憶の情の籠もった付味の良い四句目が生まれました。

  五  散る花にゆふべのこころ遥かなる     海 晩春/花

次はいよいよ一巻の飾りとなる「匂の花」の座。ここは捌が付ける運びとなりました。
しばらく長考に沈んだ後に得た掲句をもって治定としました。本句は朝食後の仮眠から目覚めた折にふと浮かんだ一句。与謝蕪村が青年期を過ごした下総結城郡本郷の俳人早見晋我の死を悼んで編んだ一篇、「北寿老仙をいたむ」に出る一節を踏まえたものです。禿山氏が永眠されてからこの作品が通奏低音のようにずっと心に響いていたのですが、その思いが図らずも花句として結実しました。
ちなみに、その作品と解説は次のページに掲載されていますので併せてご覧下さい。
⇒ http://www.geocities.jp/sybrma/334buson.hokujurousen.html

  挙句  霞隔つる幽明の境(きょう)        筆 三春

これに執筆が挙句を付けます。ここでも禿山氏との永別を悲しむ心を籠めて吟案を巡らしました。通常の付合ならば挙句はあっさりとめでたく仕上げるのが習わしですが、本巻では追悼の思いをもって一巻を終えることにしました。
実は、ツイッターとフェイスブックに連載記事として連日掲載している【今日の季語】11月2日の「末の秋」の項に、例句として「幽明を友と隔てつ末の秋」の自作句を披露したばかりですが、ここでもまたこの語を用いて、禿山氏と「幽明境を隔つ」状況に置かれた連衆一同の悲しみを表出したいと願った次第です。
これにて、禿山氏の発句によって起こされた本巻は、改めて世の無常を思い知らされる形で満尾いたしました。この一巻を氏の霊前に捧げて鎮魂の縁(よすが)とさせて頂きます。

【付記】満尾後の校合(きょうごう)の折に、禿山氏の最期の句に出た「靄」と、挙句の「霞」が響き合っていることに気付きました。また発句と脇に《旅立ち》の付心が働いていたことと併せて、偶然とは思えない経緯の糸が本巻を貫いていたことに思い至り、感慨を新たにしました。

とびぃ
連句
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12/11のツイートまとめ
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【今日の季語2540】十二月(じゅうにがつ):仲冬の時候季語。一年最後の月は済ませなければならない事どもがあれこれと目白押しに並んで、慌ただしい思いの内にたちまち過ぎて行くのが例年のことである。◆巨(おほ)き歯に追はるゝごとし十二月(石塚友二) #jhaiku #kigo
12-11 05:00

とびぃ
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twryossy

【今日の季語2539:別記②】例句の「納豆」の変化形「なっと」は、江戸期の次の句にも見える。 納豆やら隣にたたく霜夜かな 句空 (俳諧「淡路嶋」<1698>)こちらの納豆も「たたく」とあることから納豆汁の具にされたものであることが知られる。 #jhaiku #kigo
12-10 07:14

【今日の季語2539:別記】例句の丈草句に「納豆(なっと)する」とあるのは、納豆汁の具材として出汁(だし)を入れながら摺鉢(すりばち)で納豆を摺り潰すことを指す。江戸期の味噌汁ではこれがもっとも人気が高かったという。 #jhaiku #kigo
12-10 05:01

【今日の季語2539】雪起(ゆきおこ)し:三冬の天文季語で「雪の雷」とも。雪国では寒冷前線の通過に伴う雷鳴と電光の後に激しい降雪を見ることが多く、そのきっかけを作るように鳴り出す雷をこう呼ぶ。◆納豆するとぎれやみねの雪起(丈草) #jhaiku #kigo
12-10 05:00

とびぃ
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【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻解題05(名残折表七句目から折端まで)
biwa02.jpg

※画像はブログ「月夜の森 11/薩摩琵琶 友吉鶴心『花一看』」より転載

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10


  発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
  脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
  第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
  四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
  五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
  折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏
初裏
  折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏
  二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
  三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
  四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
  五  難問が解けて空には冬の月        糸 冬/月
  六   誕生なるか女性領袖          山 雑
  七  移り香のスーツに残る帰り道       女 雑/恋
  八   逢瀬重ねる焼肉の店          輔 雑/恋
  九  迷惑は口先だけとすぐに知れ       海 雑
  十   相槌打つもうはのそらなり       糸 雑
  十一 ジグソーのゴジラ仕上がる花明り     山 晩春/花
  折端  縞のキルトに蒲公英の絮        女 三春
名残表
  折立 いかめしも開通を待つ春の駅       輔 三春
  二   港目指して下る坂道          海 雑
  三  園児らのラジオ体操靄晴るる       山 雑
  四   集ふママ友尽きぬおしゃべり      糸 雑
  五  家事番は草むしりなど屁の河童      輔 晩夏
  六   女形の台詞やっと覚える        女 雑

  七  寝乱れの顔を繕ふ隠れ宿         海 雑/恋
  八   咬み痕なぞる紅差しの指       執筆 雑/恋
  九  ペアカップ割って後ろは振り向かず    糸 雑
  十   賽は振られつ渡るルビコン       輔 雑
  十一 望月のさやかに照らす島の影       女 仲秋/月
  折端  琵琶を弾じてしばし秋興        海 三秋

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


  七  寝乱れの顔を繕ふ隠れ宿         海 雑/恋

付合は名残表七句目に差し掛かり、4飛び巡行の捌に付番が回ってきました。そこで前句「女形」を恋の呼び出しの詞と見定めて仕掛けられた恋を承けることにしました。
掲句の「繕ふ」は《化粧などを整える》の意。前句の人物をいささか妖しげな世界に拉致してその恋模様を描いてみました。

  八   咬み痕なぞる紅差しの指       執筆 雑/恋

膝送りはこれより六巡目入り。八句目は4飛び巡行付番の禿山氏にお願いします。恋は一句で捨てるべからず、その習わしに従って恋を続けましょう。恋の二句目は前二句の世界を背景にしてその続きを言う「三句絡み」に陥り易いもの。その点にご留意下さい。
このような条件を示して、氏の病状を懸念しながら付句を待っていると、それから6日後に、氏から次のようなメールが届きました。

=====
残念ながらギブアップです。句案の推敲は睡魔に勝てず毎度堂々巡りをしてます。
このような状態では、これ以上皆様をお待たせしても好転は見込めません。今後については何とかスマートに終息させるか、願わくば継続して頂きたいと願ってます。
連衆の皆様、重ねてお詫び申し上げます。
=====

かねてより、意のままにならなくなるまでは決してギブアップしないという、氏の決意表明を力草(ちからぐさ)に付合を進めて来たのでしたが、事態がかかる局面に至ったことを告げる知らせを受け、胸を突かれる思いに囚われました。しかしここで付合を頓挫させては氏の切なる願いを無にすることになるので、今後の運びについてあれこれ思案の末に次のような方策を案じ、それを連衆各位にお諮りしました。
それは、禿山氏の付番は、目下の名残表八句目が済めば残るはあと一つ、名残裏二句目のみという運行予定になっていたので、この両句所を捌が書記役の「執筆(しゅひつ)」に成り代わって急場を凌ぐことにしてはどうかという案です。
これを各位に示したところ、いずれからも異論なしという同意を頂いたので、この案に従って執筆が後見役を務める運びとなりました。

掲句は、前句の後朝(きぬぎぬ)の場景を承けて、「其場・其人」の手法を用いた恋の人情自他半句です。なお、三句前に「手」があって「指」との差合が懸念されますが、前者の「手の内」は比喩的な慣用句で実質は肢体に当たらないので障りにはならないと判断しました。

  九  ペアカップ割って後ろは振り向かず    糸 雑

九句目は4飛び巡行遊糸さんの付番。恋をもう一句続けるか、「恋離れ」で行くかは作者にお任せ、恋を続ける場合には前二句の世界の続きに陥らないようご注意下さい。
この要請を承けた遊糸さんから早々にご呈示のあった候補5句を吟味した結果、「後は振り向かず」に前句に通うものを含ませながら、それを「ペアカップ」にするりと逃げたところに良い離れ味を見せた掲句を初案のまま頂くことにしました。
前句から思い切り良く離れながら、一抹の恋の気分を残しつつ、新たな展開を招くにふさわしい上々の「恋離れ」句が生まれました。

  十   賽は振られつ渡るルビコン       輔 雑

十句目は4飛び巡行付番の俊輔氏にお願いします。雑をもう一句続けましょう。人情句で行くならば打越と同じ人情自他半を避けて下さい。場の句も可です。次が月の座に当たるので、月の出を妨げるような句材は控えましょう。
このような条件に従って俊輔氏から呈示された名残表十句目候補5句を吟味した結果、「カエサルの決断」という自註を添えた初案「賽は振られて渡るルビコン」を良しと見ました。
前句の「後は振り向かず」の勢いの良さを異なる局面に活かし、前句の句勢に応じて句を付ける「拍子(ひょうし)」と呼ばれる付けに近い手法に従ったもので、転じ味も上々です。なお微細な点については、「(振られ)て」が前句の「(割っ)て」と重なる点が気になるので、これを完了の助動詞「つ」に差し替えた句形により治定することにしました。
言い切りの形で短句の上七を断止する形が、カエサルの決意の強さに通底するものを感じさせます。前句の恋離れからさらに大きく転じて、ローマへの進軍を決意したカエサルのルビコン渡河の雄姿を詠んだ、離れ味の良い十句目が生まれました。


  十一 望月のさやかに照らす島の影       女 仲秋/月


十一句目は4飛び巡行笑女さんの付番。この句所を秋の月の座と定めます。前句まで人情句がしばらく続いて。いささか凭(もた)れ気味を感じることと、月の座であることを考慮すれば、場の句でさらりとかわすのが良さそうです。
笑女さんから呈示のあった十一句目候補5句の中から「白波に望月冴えて島の影」の初案を選り残しました。いささか親句の気味はあるものの、候補句の中では本案がもっとも付心が明確です。ただし「望月」だけならば良いのですが、「冴え」を添えると三冬の季語「月冴ゆ」に同化してしまうので、この点に対する手当てが必要です。また「白波」は八句目の「紅」と同じ色彩関連語で障ることと、前句と同じ水辺の「ルビコン」に付き過ぎる印象があるので、これは言わずに済ませる方策を考えたいところです。そこでこれらの難点に対して掲句に見るような一直を施して治定としました。
しばらく続いた人情を捨てて前句を場の句であしらった、付味のよい十一句目が生まれました。


  折端  琵琶を弾じてしばし秋興        海 三秋


これに早速4飛び巡行付番の捌が付けさせて頂きます。掲句は「島守」という詞を使いたいところでしたが、前句の「島」と同字で障るのでこれを表に出さずに、そのような人物がひとり琵琶を弾きながら秋興の刻を過ごす姿を思い描いて折端に据えました。
実はこの文音歌仙が始まったそもそものきっかけは、禿山氏が幼少の頃、自宅近くにあった常磐炭鉱の炭住長屋から琵琶の音が流れて来たという懐旧談が発端となり、それを踏まえて付合を試みたことにありました。本句の「琵琶」はその折のことを想起して取り上げた句材です。
なおよい機会なので、その折の「禿海(禿山)・笑人(笑女)・宗海」三名による習作十二句「ぼた山に」の巻を記念としてここに書き留めておくことにしましょう。数えみればあれからはや8年の歳月が過ぎ去りました。感無量という他はありません。
なお9の初案下五は「花言葉」でしたが、これは雑の正花で11の花の座に障るので「贈り物」に改めました。

=====
【予行演習十二句「ぼた山に」の巻】

1 ぼた山に琵琶音高き夕まぐれ    宗海 雑
2  家路を急ぐ顔黒き鉱夫(ひと)  禿海 雑
3 月明かり夕餉の香り子の笑顔    笑人 秋/月
4  踊浴衣の帯は紅色        宗海 秋
5 友集う北の寄宿舎秋深し      禿海 秋
6  波打つ稲穂すずめ飛び交う    笑人 秋
7 太棒に更科蕎麦を繰り延べて    宗海 雑
8  亭主の側(そば)よりヨン様が好き 禿海 雑/恋
9 香とともに心伝える贈り物     笑人 雑/恋
10  駅裏通り旧友の店        宗海 雑
11 花どきは歩いてみたきお城山    禿海 晩春/花
12  春風吹いて柳たなびく      笑人 三春
               起首 2008.09.27
               満尾 2008.10.18

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とびぃ
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12/09のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2538】猟銃(りょうじゅう):三冬の生活季語「狩」の傍題の一つ。同字を含む「猟」「猟犬」なども。狩猟に用いる散弾銃・ライフル銃の総称で所持するには都道府県公安委員会の許可が必要。◆猟銃の音が分け入るけものみち(小泉秀夫) #jhaiku #kigo
12-09 05:00

とびぃ
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12/08のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2537:別記⑦】これは古代日本語のサ行音が現代語のような摩擦音ではなくチャ・チュのような破擦音の性格のものであったという通説を縁(よすが)としたものである。#jhaiku #kigo
12-08 07:17

【今日の季語2537:別記⑥】スズメの「スズ」がその鳴き声をかたどったとされることを踏まえてあえて憶測を試みるならば、古名サザキの「サザ」もまたこの鳥の鳴き声を写したもののように思われる。 #jhaiku #kigo
12-08 07:14

#笠着 00》参考】笠着百韻「飽かぬ色に」の巻の付合は34まで進みました。35は冬をもう一句続けてもよく、雑にしてもよいという局面、36は二折表の折端にあたります。これまでの運びはこちらに⇒https://t.co/mXtxIWfRbS
12-08 06:26

#笠着 32》34 袖無かがる祖母の指先 海(三冬) 33 上弦の月なほ今宵冴えわたる 代(三冬/月)32 スマホ買ひ換へ消えるアドレス 悦子 31 イヤホンをシェアする二人Jポップ 鯉(恋) 30 しぐさひとつの奪ふこころね 屋(恋)29 先越され面目もなし警視庁 葛
12-08 06:20

@e39c6a1 ご丁寧なご挨拶痛み入ります。ご芳志に感謝いたします。 https://t.co/6auSREJHMU
12-08 06:05

【今日の季語2537:別記⑤】《溝三才》という解釈は、"民衆語源解"と呼ぶにふさわしいこじつけ。ミソの意味は未詳であるが、この鳥が古代にサザキの名で呼ばれていたことに注目すれば、サザイその第三拍キがイに変化したものと解するのが自然である。 #jhaiku #kigo
12-08 05:10

【今日の季語2537:別記④】古辞書『下学集』(1444成立)春林本、「鷦鷯」の項にも、「ミソサンザイ」の読みと「此ノ鳥、溝ニ栖(す)ムコト三歳。故ニ日本ニ"溝三歳"ト呼ブ」の註釈が見える。当時《溝に三年棲む鳥》の語源解があったことを示す。 #jhaiku #kigo
12-08 05:04

【今日の季語2537:別記③】キリシタン文献『日葡辞書』(1603)には、この鳥名を Misosanzai(ミソサンザイ)の見出し形で掲げ、その語釈に「Mizosanzai(ミゾサンザイ)と言う方がまさる」とする優位語形の注記がある。#jhaiku #kigo
12-08 05:03

【今日の季語2537:別記②】上掲表記ではサザイを「三才」と表記したところにやや無理があるようにも思えるが、この鳥名はかつてミソサンザイと呼ばれていた証跡があり、それならばサンザイに「三才」を宛てても不自然ではない。 #jhaiku #kigo
12-08 05:02

【今日の季語2537:別記①】この鳥名は虚子句の「干笊(ほしざる)の動いてゐるは三十三才」などに見るように「三十三才」と表記されることもある。ミソに「三十」、サザイに「三才」を宛てたものであるが、初見の人を戸惑わせるに十分な宛字表記である。 #jhaiku #kigo
12-08 05:01

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とびぃ
一般
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12/07のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2536:別記】本日の例句には、単独で使用すれば三春の時候季語となる「暖か」があるが、季語として冬季の「大雪」と並び立つことはあり得ないので季語には当たらず、季重なりにもならない。 #jhaiku #kigo
12-07 05:01

【今日の季語2536】大雪(たいせつ):二十四節気の一つ。今日から始まる仲冬の時候季語。北国からはすでに雪の便りが届いている。なお「おおゆき」と読むと本題とは異なる晩冬の天文季語になるので注意したい。◆大雪や水暖かに水前寺(吉武月二郎) #jhaiku #kigo
12-07 05:00

とびぃ
一般
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【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻解題04(名残折表折立から六句目まで)
ikamesi.jpg
※画像はサイト「函館朝市 駅二市場」より転載


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10


  発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
  脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
  第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
  四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
  五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
  折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏
初裏
  折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏
  二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
  三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
  四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
  五  難問が解けて空には冬の月        糸 冬/月
  六   誕生なるか女性領袖          山 雑
  七  移り香のスーツに残る帰り道       女 雑/恋
  八   逢瀬重ねる焼肉の店          輔 雑/恋
  九  迷惑は口先だけとすぐに知れ       海 雑
  十   相槌打つもうはのそらなり       糸 雑
  十一 ジグソーのゴジラ仕上がる花明り     山 晩春/花
  折端  縞のキルトに蒲公英の絮        女 三春
名残表
  折立 いかめしも開通を待つ春の駅       輔 三春
  二   港目指して下る坂道          海 雑
  三  園児らのラジオ体操靄晴るる       山 雑
  四   集ふママ友尽きぬおしゃべり      糸 雑
  五  家事番は草むしりなど屁の河童      輔 晩夏
  六   女形の台詞やっと覚える        女 雑

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

名残表
  折立 いかめしも開通を待つ春の駅       輔 三春


付合は早くも峠を越えて名残表入り。折立は4飛び定時巡行の俊輔氏にお願いします。
春秋の季句は三句以上五句までとされている式目の「句数(くかず)」の定めに従い、前二句を承けて春をもう一句続けます。春三期の別は問いません。場の句を続けてもよく、新たに人情を起こしてもよしという局面です。
このような条件を承けて呈示された候補5句を吟味した結果、初案「開通のイカ飯を買ふ春の駅」をもっとも良しと見ました。
ご当地北海道にふさわしい吟句で、前句の「キルト」から"詰め物"の要素を導いた付心が面白い。ただ、中七がやや只事(ただごと)風の表現に流れている点にもうひと工夫欲しい印象を抱きました。
そこでこれに掲句のような擬人法による曲折を加えた一直案を浮かべてみました。その初案は、上五に「烏賊飯」の漢字表記を用いたのでしたが、ネット上でその画像を見ると平仮名書きになっていたのでこれに従って表記を改め、それがご当地のものであることを暗示しました。
離れ味もよく、明るさを備えて新たな展開の期待される折立が生まれました。

  二   港目指して下る坂道          海 雑

二句目は4飛び定時巡行付番の捌の担当。前に三句続いた春を離れて雑の句に戻ります。
函館を思わせる港町の場景を詠んだ掲句は、前句に対していささか親句(しんく)の気味はありますが、場の句が二つ続いたのを承けて、海の見える坂道をそぞろに下り歩む人物の姿を描いた起情の句を案じました。

  三  園児らのラジオ体操靄晴るる       山 雑

膝送りはこれより五巡目入り。三句目は3飛び早番の禿山氏に付番が回って来ました。
ご当地関連句材は前二句でお仕舞いにして、そこから大きく離れること、人情を起こした前句を承けて必ず人情を加えること、この二つを条件としました。
病床の禿山氏から、数日後に候補5句が届き、その中から選んだ初案に一直を加えたのが掲句です。朝のラジオ体操をする園児たちの姿を詠んだ本句は、前句の人物の目に映った「其場(そのば)」の手法に従ったものと解することができます。
起情の前句を承けてこれに人情他の句で応えた転じ味の良い三句目が生まれました。

  四   集ふママ友尽きぬおしゃべり      糸 雑

四句目は5飛び遅番、お待ち兼ねの遊糸さんにお願いします。雑をもう一句続けること、人情の有無は問わないものの、打越と同じ人情自は避けることを条件として示しました。
呈示された候補6句の中では初案「若き母親尽きぬおしゃべり」を良しと見ました。前句の「園児」への「対付(ついづけ)」として「母親」を配したところに転じの工夫が見えます。ただ「若き」とは言わずもがな、それは「園児」への付けから自ずと知れることなので、別の表現に言語空間を拡げたいところです。
そのような狙いから加えた最初の一直案は「ママ友集ひ尽きぬおしゃべり」で、上七の中止形にやや説明臭のある点にひっかかりを覚えて、さらに韻文性を高めたいと考え、もうひと工夫加えて掲句の句形により治定としました。
程よい付味の人情句によって前句への落着を見た四句目が生まれました。

  五  家事番は草むしりなど屁の河童      輔 晩夏

五句目は3飛び早番俊輔氏の担当。雑が三句続いたのでこのあたりで雑から夏季に転ずることにします。人情の有無は問いませんが、人情を入れるならば二句続いた人情他は避けましょう。
かかる条件を承けて呈示された初案の中から、「家事番はキャベツ料理もお手のうち」を粗選りしました。前句の「ママ友」からその夫へと目を転じて生まれた飛躍が離れ味をよくしています。ただし「お手のうち」の種目に《料理》を持って来たのは、初裏二句目にも「手料理」が出ていたので、別の領域にしたいところです。また付合の流れに目を向けると、片仮名表記語が打越から三連続する点が気になります。
そこでこれらの難点に一直を加えて「家事番は草むしりなどお手のうち」としたのですが、「手の内」は比喩表現ながら八句目の「指」と肢体関連語として障る恐れがあるので、思い切って俗な表現の「屁の河童」に替えて俳味を持たせることにしました。
親句性の強い前句二句の世界から離れた、付味の良い五句目が生まれました。

  六   女形の台詞やっと覚える        女 雑

六句目担当は5飛び遅番でお待ち兼ねの笑女さん。前句の夏を承けて晩夏または三夏で続けるもよく、一句で捨てて雑に戻るもよしという局面です。なお、歌仙では恋は一巻に二箇所で出すのが習わしとなっているので、そろそろ恋句を仕立てたいところ。その気配を感じさせるような「恋の呼び出し」の仕掛けがあれば上々吉です。
間もなく笑女さんから呈示された候補6句に吟味を加えた結果、初案「やっと覚えた江戸の世話物」に目が留まりました
短句に相応しい句調が好ましく響きます。ただ「江戸の世話物」がその《台詞》なのか、それとも《演題やその読み方》を言っているのかが判然とせず、その点にいささか甘い印象が残ります。
そこで、前句の「草むしり」を付所に、その作業をしながら素人芝居の台詞を覚えている人物と見立てた掲句のような一直案を浮かべました。「女形(おやま)」は役柄名なので、打越の人倫「ママ友」には障りなしと見ました。裏声を出す女形の台詞に併せてしなを作りながら草むしりしている姿に、一抹の滑稽味と恋の呼び出しの含みも持たせたものです。
前句を素人芝居の女役と見立てた「其人」の手法に従った、意表を突く転じ味を持つ六句目が生まれました。
(この項続く)
とびぃ
連句
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【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻解題03(初折裏七句目から折端まで)
gojira.jpg
※画像は「amazon ジグソーパズル バーニング・ゴジラ」より転載

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10


 発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
 脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
 第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
 四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
 五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
 折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏
初裏
 折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏
 二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
 三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
 四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
 五  難問が解けて空には冬の月        糸 三冬/月
 六   誕生なるか女性領袖          山 雑
 七  移り香のスーツに残る帰り道       女 雑/恋
 八   逢瀬重ねる焼肉の店          輔 雑/恋
 九  迷惑は口先だけとすぐに知れ       海 雑
 十   相槌打つもうはのそらなり       糸 雑
 十一 ジグソーのゴジラ仕上がる花明り     山 晩春/花
 折端  縞のキルトに蒲公英の絮        女 三春

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 七  移り香のスーツに残る帰り道       女 雑/恋

付合は初折裏の後半に差し掛かり、七句目は3飛び早番笑女さんの担当。前句の恋の呼び出しを承けて、恋の情を明らかに表出した付句をお願いしました。
歌仙では一巻の中に必ず恋句を詠むこととされており、恋句のない作品は半端物(はんぱもの)という有り難くない評価を受ける仕儀となります。
間もなく候補5句が呈示され、その中でもっとも良いと見た上掲句を初案のまま頂くことにしました。「移り香」を前句の女性のものと見立てて相手の男性を描いた「向付(むかいづけ)」の手法に従う付けで、すらりとした句姿と併せてよい付味が感じられます。
前句の呼び出しにうまく応じた恋の七句目が生まれました。

 八   逢瀬重ねる焼肉の店          輔 雑/恋

八句目はお待ち兼ね、5飛び遅番の俊輔氏にお願いします。ここにも恋句に関する式目上の決まり事があり、いったん恋句が出たらそれを含めて必ず二句以上は続けなければなりません。この習わしに従ってこの句所では恋を続けることになります。
俊輔氏呈示の候補5句の中、「逢瀬はいつもジンギスカン屋」に目が留まりました。お住まいの北海道滝川市の名物の店、そこを恋の舞台に選んだ奇抜な発想に捌の食指が動きました。前句の「残り香」を温和しく承けず、はぐらかしに出た妙技が冴えています。惜しむらくは、下七が六・一という頭でっかちの句形のために句調がいま一つ整わないこと。ここにもうひと工夫欲しいところです。そこでこの難点を解消すべく、上掲句のような一直案を浮かべ、この句形で治定としました。
食物と恋の意表を突く取り合わせによって展開の面目を一新した、良い味の九句目が生まれました。

 九  迷惑は口先だけとすぐに知れ       海 雑

次は九句目。付番の回ってきた捌がこれに早速付けを試みました。
掲句は、一句を独立させて読めば恋の趣は感じられないものの、前句に付けて味わうとそこはかとない恋の情緒が漂う、そのような句について言う「恋離れ」を試みました。身に覚えのない艶聞を流されたことに対する「迷惑」という見立てが前句への付心として働いています。

 十   相槌打つもうはのそらなり       糸 雑

十句目は4飛びの標準巡行によって付番の回って来た遊糸さんにお願いします。
話の続きを言うのではなく、前句の人物に相応しい動作・振舞を詠む方向を目指すことが、前句との離れを生む要諦になると思われます。また、次の十一句目が花の座で、ここはその前に位置する「花前」と呼ばれる句所にあたるために、植物や花の出しにくい句材は控えるべしとされています。
これらの注文を受けて遊糸さんから呈示された候補7句について吟味を加えた結果、初案「上の空にて相槌を打つ」が、ピントを一点に絞ったところから良い味が出ていると見ました。なろうことならば、「相槌を打つ」の「を」に籠もる説明の匂いを消すために、これを用いずに表現したい気がします。
そこで、本案の上下を入れ替え、余分と思われる助詞を省く「すみのテニハを切る」と呼ばれる手直しを加え、掲句の句形に改めて治定としました。
前句に逸らし気味に付けたところに曲折を感じさせる、付味の良い十句目が生まれました。

 十一 ジグソーのゴジラ仕上がる花明り     山 晩春/花

十一句目は初折の花の座。この花は4飛び巡行で付番の回ってきた禿山氏に持って頂きます。前句に描かれた人物を新たな視点から捉えてそこに花を配するという、かなり気骨の折れる付合になりそうな予感がしますが、そこを上手くあしらうのが付け手の腕の見せ所。
この間、下に示した「付記」にあるような事情によって数日間の「付合停止」期間が生じ、それが解除された後に禿山氏から候補5句が呈示されました。その中から初案「花の下ジグソーパズルの仕上げ時」を拾い上げました。惜しむらくは、「上」字が前句と同字の障りになることと、前句の「上の空」との論理的整合を図ろうとした点に"付け代"の広過ぎる印象が残ります。
前件については、「仕上げ」が他の語をもっては代え難いために、すでに治定していた前句の初案「上の空」を「うはのそら」と旧仮名遣いに改めることをもって解消策とし、後件を含めて掲句のような一直形に仕立て上げて治定としました。
なお、中七「ジグソーパズルの」の字余り解消を図る際に、その絵柄には何がよかろうと思い巡らした果てに浮かんだのが、最近の映画で話題の「シンゴジラ」。絵柄を言えば「ジグソー」だけでも通じると考えて、これを組み込むことによってさらなる具体性を持たせました。
前句への程よい付味と意外性のある、斬新な初折の花句が生まれました。

 折端  縞のキルトに蒲公英(たんぽぽ)の絮(わた) 女 三春

初折裏の折端は4飛び定時巡行によって笑女さんに付番が回ってきました。
人情句が重なって運びがいささかこみ入ってきたので、ここは人情を離れた場の句でさらりと逃げるのがよさそうですが、人情を加えるならば打越と同じ自他半は避けましょう。
同級会の準備と運営による疲れを癒やして日常生活のリズムを取り戻された笑女さんから呈示された折端候補5句の中、初案「キルト模様に蒲公英の絮(わた)」に目を留めました。
ご自解には、句材が前句と同じ植物であることへの懸念が示されていましたが、これは「摺付(すりつけ)」と呼ばれる付け方で、打越ならば差合になりますが、一句を隔てない付句なので、その点に問題はありません。また、「キルト」に「ジグソー」がほのかに通って良い味を出していますが、欲を言えば「キルト模様」にもう一つ具体性を持たせたい印象を受けます。そこでその点についての補修を加えた掲句の句形をもって治定としました。
しばらく続いた人情句を離れてあっさりした付味の、転じ具合も良い折端が生まれました
(この項続く)

(付記)
上記十一句目の付句条件を禿山氏に呈示したちょうどその頃、故郷のいわき市湯本温泉の旅宿で予定されていた、喜寿の祝いを兼ねた中学校同級会が間近に迫っていました。当の禿山氏も初めは出席の心算でおられたのでしたが、前記のように、にわかに入院の事態が出来(しゅったい)したため、無念の思いで欠席を表明される仕儀に至りました。
氏はその思いをメールに綴り、会の当日私宛てに送って下さり、当夜の席で同級生各位に最後の挨拶として披露して欲しい旨を依頼されました。その懇請を受けて旧交を温める宴に先だって級友に披露した、その文面には次のようにありました。

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平一中クラス会 開催 おめでとうございます。お集まりの皆様には 多少の問題は抱えていても このように参加できるのであって これは喜ばしい限りです。私も楽しみにしていたのですが 現在 体力低下が著しく、室内の移動がやっとで 長距離の移動は難しい状況です。これも この春、悪性リンパ腫の再発と 胃ガンの発病を告げられ 私は手術等を諦め 無処置を選択、末期には緩和病棟で処置を受けることを決断しました。現在 その緩和ケアにて 日ごとに食事の通過が難しく 僅かな流動食に頼っている状況ですので いずれ 最後を迎えるのは避けられません。しかし、今の医療チームは 患者に苦痛と不安を与えぬよう 丁寧、かつ懸命に処置してくれますので 皆様にもご休心願います。
私の参加は難しいですが この会が1年、もう1年と 末長く続くことを願ってます。そして皆さまのご多幸を念じ ご挨拶と致します。皆様 長い間お世話になり ありがとうございました。
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とびぃ
連句
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12/05のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2534:別記】「うつた」は「宇津田」「打田」などと書かれることもあるが、その名の起源は雲に包まれたように一切不明であるため、その当否について言及することはできない。 #jhaiku #kigo
12-05 05:01

【今日の季語2534】うつた姫(うつたひめ):三冬の天文季語。連歌辞書の『匠材集』(1597)に「冬を守る神なり」とあることに基づいて、春の佐保姫、秋の竜田姫に準じて冬を司る女神をこう呼ぶ。◆うつた姫雲の浅間に降り立てり(上田五千石) #jhaiku #kigo
12-05 05:00

とびぃ
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12/04のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2533】ちやんちやんこ:三冬の生活季語で「袖無(そでなし)」などとも。防寒用の袖のない羽織で綿入れ仕立てにすることが多い。明治末期頃に生まれた東京語と見られるが名前の由来については未詳。◆柔かき黄のちやんちゃんこ身に合ひて(高野素十) #jhaiku #kigo
12-04 05:00

とびぃ
一般
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【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻 解題02(初折裏折立から六句目まで)
oRkurage02.jpg
※画像はサイト「鶴岡市立加茂水族館/クラネタリウム」より転載

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10


 発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
 脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
 第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
 四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
 五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
 折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏
初裏
 折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏
 二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
 三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
 四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
 五  難問が解けて空には冬の月        糸 三冬/月
 六   誕生なるか女性領袖          山 雑

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

初裏
 折立 水族館人気抜群大くらげ         糸 三夏

 
膝送りは初折裏入り。折立担当は4飛び付番の遊糸さん。前句と同季の夏で初折の表裏を繋ぎます。人情句が続いて少々粘りが出て来たので、ここは場の句でさり気なくあしらうか、人情が入っても諄(くど)くならないよう、あっさり仕立てで行くことをお願いしました。
程なく呈示された候補6句の中から、初案「水族館浮かぶ海月が人気者」を選り出しました。前句の揺れる吊り床からクラゲの姿を思い浮かべたところに、連想の自然さと転じの良さがあります。ただし「浮かぶ」は "言はずもがな" の感を覚える詞なので、下記の数次に及ぶ改案を経て上掲句に治定しました。
一直初案は「大くらげ水族館の人気者」だったのですが、表五句目の「器用者」と「者」の同字で障ることに気付き、これを「大くらげ水族館の人気取り」に改めたものの、なお下五の言い回しが落ち着かず、これに再度手を加えて掲句の形に落着した次第です。
前句からさらりと転じた、折立にふさわしい展開の期待される付句が生まれました。
 
 二   酢物味濃き嫁の手料理         輔 雑
 
二句目はお待ち兼ね俊輔氏の付番。夏が二句続いたところで雑に戻ります。前二句が人間の登場しない場の句なので、ここは是非とも人情を起こしたい局面です。
このような要請を受けた俊輔氏から同日中に候補5句が呈示され、その中から初案「濃い酢物味嫁の手料理」を選びました。
本句は、前句の「くらげ」を付所として転じを図ったもの。着眼の良さが感じられるものの、上七の運辞にいま一つ工夫が欲しい気がします。そこで、上七内部の語順を入れ替えてその難の解消を図った結果、掲句の形に治定しました。
生類から食物の句材に転じて人情を起こした、付味の良い二句目が生まれました。
 
 三  四捨五入すれば傘寿よ背の丸み      女 雑
 
三句目は4飛び巡行に従って笑女さんに付番が回って来ました。前句の起こした人情を承けて、ここもまた人情句を続けましょう。
間もなく呈示された候補5句の中から、掲句を初案のまま頂戴することにしました。
本句は、前句の「嫁」にその《舅・姑》にあたるを人物を対置させた「向付(むかいづけ)」と呼ばれる手法に従ったもの。併せて人生の諸相に対する喜怒哀楽の情を述べる「観相」の付心も感じられます。
軽い俳味の中にも深みのある老体句が生まれました。
 
 四   枯蔦からむ宮の狛犬          海 三冬
 
笑女さんの三句目に、4飛び付番の捌が早速付けさせて頂きます。
掲句は前二句からの三句絡みの難を回避すべく、人情を捨てて冬の釈教句に逃れました。
前句の「老体」に通じる要素を持つ三冬の季語「枯蔦」によって前句に響かせたところに付心が働いています。また句材の「狛犬」にも、前句の「背の丸み」に通う付筋が潜んでいます。
 
 五  難問が解けて空には冬の月        糸 三冬/月
 
膝送りは三巡目入り、五句目は3飛び早番の遊糸さんの担当です。ここを二度目の月の座とします。
前句の季を承けてここは冬の月を詠んで頂きましょう。その際に第三の月に詠まれた状況と重ならない配慮が必要です。
この条件を承けて遊糸さんから呈示された候補5句の中から、初案「難問を解いて見上げる冬の月」に一直を加えた掲句を治定しました。「解いて見上げる」にかすかな説明の匂いを感じたので、「難問」を主体とする表現に改め「見上げる」は言外に隠しました。
前句の「枯蔦」が絡んだ姿に「難問」と通う要素を見出して新たな世界への展開を図った付けと転じの効いた五句目が生まれました。
 
 六   誕生なるか女性領袖          山 雑
 
六句目はお待ち兼ね6飛び遅番の禿山氏の付番。二句続いた冬を離れて雑に戻りましょう。
そろそろ恋が欲しい局面なので、どこかに恋を誘うような趣を感じさせる「恋の呼び出し」をお願いします。いきなり恋に入るのではないところにひと工夫が必要です。
 
ところが、このような条件を呈示した翌日、緩和病棟への引っ越しのために目下待機中という禿山氏からのメールが、担当医の病状説明を添えて送られてきました。胸を突かれる思いに囚われて危ぶみながら氏の句吟を待っていると、それより三日後、病床にある禿山氏のiPhoneから六句目候補5句の句案が届きました。
一座に寄せる氏の並々ならぬ思いに心を打たれながら吟味を加えた結果、離れ味の効いた初案「女性党首の誕生なるか」を、恋の呼び出し役としてもっとも良しと判定しました。ただ惜しむらくは、下七の四三の形が句調を損ねています。そこでこの点を改めるべく上下を倒置させ、かつ「党首」を4拍類義語「領袖」に入れ替える一直を加えて掲句のように句形を定めました。
時あたかも民進党の党首選びに向けた動きが始まったところ。そのような時事性を兼ね備えた、恋の呼び出しとしては意外性のある佳句が生まれました。(この項続く)
とびぃ
連句
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12/03のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2532:別記②】「海鼠腸」は平安期の『延喜式』(927)の、諸国から朝廷に献上された品名を記した中に姿を見せるのが比較的早い例。これが古形を留める語形のまま現代に伝わっている。 #jhaiku #kigo
12-03 05:02

【今日の季語2532:別記①】この語の構成は「コ(海鼠)のワタ(腸)」。「海鼠(なまこ)」は古く一拍語でコと呼ばれたのが、干したイリコ(熬海鼠)に対して《生》の意を加えたナマコ(生海鼠)が後に通用形に。 同様にワタ(腸)も後にハラと熟合してハラワタに。#jhaiku #kigo
12-03 05:01

【今日の季語2532】海鼠腸(このわた):三冬の生活季語。同季の生類季語「海鼠(なまこ)」の腸(はらわた)を塩漬けにした塩辛の一種で、辛党にはこよなき酒の肴として珍重される。◆このわたは小樽海鼠は中樽に(鈴木真砂女) #jhaiku #kigo
12-03 05:00

とびぃ
一般
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12/02のツイートまとめ
twryossy

@sakuratukiyo 中のものは植物とは限りませんから、「温室」の文字があれば問題ありませんね。 https://t.co/ggdVeSEhbr
12-02 05:13

@Y7Nan #笠着 00》24 「神ってる」は今年の流行語の一つに選ばれた一件ですね。一過性が高そうなので注を付けておきましょう。なお上七の表現にいささか緩(ぬる)い気味があるので、「句想湧くとき」などとしては如何でしょうか。 https://t.co/awXQa5AIVW
12-02 05:10

【今日の季語2531:別記③】また病名としての漢字表記も、古くは「風」が一般的。それに「風邪」の熟字を用いるようになったのは明治期以降のことである。 #jhaiku #kigo
12-02 05:03

【今日の季語2531:別記②】「風邪」は本来フウジャと字音で読まれる漢語で、人の体内に入って種々の病気を引き起こす「風」を指す名称。和語のカゼもこれと同様で、必ずしも《感冒》をいうとは限らなかった。 #jhaiku #kigo
12-02 05:02

【今日の季語2531:別記①】「風車(かざぐるま)」や「風花(かざはな)」の例に見るように、「風」は単独ではカゼ、複合語ではカザと形が変わる。これは「風邪」についても同様で、傍題の「風邪気」はカザケが本来の形。これがカゼケになるのは後代のこと。 #jhaiku #kigo
12-02 05:01

【今日の季語2531】風邪気味(かぜぎみ):三冬の生活季語「風邪」の傍題の一つで「風邪気(かざけ)」とも。風邪にかかり始めた様子やその状態にある人の気分をいうのに用いる。◆風邪気味の採点甘くなりてをり(森田公司) #jhaiku #kigo
12-02 05:00

@Mrkmbc #笠着 00》返事が遅くなって相済みません。お使いの「印香」にその発香体ばかりでなく《香》の要素も含めて受け取れば「印香立つ」でも差し支えないと考えてこれを活かすことにしました。 https://t.co/61PjqcrFgH
12-02 04:57

とびぃ
一般
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【佐藤禿山氏追悼連句】いわき文音五吟歌仙『ひよどりは』の巻 解題01(発句から初折表折端まで)
興行発足以来足掛け10年に及ぶ歳月を閲した「いわき文音連句」、その通巻第二十四にあたる歌仙「『ひよどりは』の巻」がこのたび満尾を迎えました。

その付合が終局にさしかかった頃、初巻以来メールによる文音方式の座を共にしてきた、札幌在住の佐藤禿山氏が入院先の病院で急逝されるという悲報に接しました。

メールによる文音連句を病間のこよなき楽しみとしながら、満尾を待たずに永の眠りに就かれた氏のご冥福を祈念しつつ、捌を務めた宗海が本巻に解説を加えて氏の霊前に捧げさせて頂きます。

hiyodori.jpg
※画像はサイト「FM-JAGA(FM帯広)」より転載

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  いわき文音五吟歌仙「ひよどりは」の巻        宗海捌
                        起首 2016.08.09
                        満尾 2016.11.10

  発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋
  脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋
  第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月
  四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑
  五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑
  折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


五吟による膝送り方式はこれが四度目。初・二巡目は a禿山>b遊糸>c俊輔>d笑女>e宗海、三・四巡目は b>a>d>c>e の付順を、それぞれ交互に二度ずつ繰り返しながら進めるという、前巻と同じ五四三飛び方式に従います。

  発句 ひよどりは試練の海を越え行きぬ    禿山 三秋


今巻の発句は、当の禿山氏に順番が回ってきました。呈示された候補5句の中から捌が選んで一直を加えたのが掲句。初案は「ひよどりや海峡超えに試練待つ」でした。狙いを三秋の季語「ひよどり」に定めた場の句で、試練の海を越えて行くひよどりの姿に、病と闘う作者の思いを籠めた一座への挨拶句と見定めました。ただ「海峡超え」「試練待つ」の運辞にいささか説明の匂いが感じられるので、これを上記の句形に改めました。

なお本句初案には次のようなコメントが添えられていました。それをこに引用して野鳥観察を楽しみの一つとされていた氏を記念する便(よすが)とします。
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本道のひよどりの殆どは秋に道南に集結し群れをなして津軽海峡を渡り南を目指します。これに合わせて猛禽類のハヤブサも狩りの為に集まり海を渡る直前を狙います。ハヤブサは水が苦手の為ひよどりが海上に出てしまったら追わず地上から飛び立ち海までの僅かな区間が狩場となります。この様子今やすっかり知れ渡り全国から野鳥愛好家やカメラマンが集まるそうです。
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  脇   涼新たなる旅立ちの朝        遊糸 初秋


運行目論見に従い、脇は遊糸さんにお願いします。前句が三秋なのでここは初秋の季語を用いて当季を定めることが必須条件。人情の有無は問いません。発句の言い残したものを探り当ててこれに寄り添うようにぴたりと付けるのが脇の大切な役割です。
このような条件に応えて、暑さをものともせぬ健吟ぶりを発揮して呈示された、その候補8句の中から「初めて涼し旅立ちの頃」を第一候補として選り出しました。これに運辞面から吟味を加えみるに、本句は上七でいったん言い切られていますが、ここは下に続けた方がすらりとした句姿になります。また「頃」で句末を留めるのは二拍分の余白を充填するための方策ですが、本句の場合にはそれよりも、時節を表す詞を表に出した方が、発句の言外にあるものを示す上でさらなる効果ありと見ました。
これらの吟味に基づいて、上七「初めて涼し」を傍題「涼新た」に替え、句末を「朝」とした上掲の句形に改めさせて頂きました。
初秋の季語を用いて当季をしっかと定め、人事への展開が期待される脇が生まれました。

  第三 来し方を家郷の月に眺むらん      俊輔 三秋/月


第三は俊輔氏の担当。発句が秋で始まった一巻は、月の定座を第三に引き上げるのが定石です。「月」とだけ詠めば秋になるので他の季語は要りません。前句は人情有無いずれとも解されますが、ここは「旅立ち」を付所に必ず人情を起こすことにしましょう。
第三は一巻の変化が始まる句所で、前二句の世界から大きく離れることが必須条件。また第三の句姿は発句に匹敵する「丈(たけ)高さ」が求められます。
これらの条件を踏まえて呈示された候補5句を、捌が篩に掛けて粗選りをした結果、「眺めやる来し方の月婚家にて」が残りました。
ただしこれについては、《過去》を言う「来し方」と月を直接結び付けた点と「婚家」の硬さの難を解消したい欲求を覚えます。
そこで、その両点について一直を加えた上掲句形に改めて治定としました。
前句の「旅立ち」への「対(つい)」付けとして、ふるさとに住む朋友の「来し方」に思いを巡らす人物を配した、落ち着きのある第三が生まれました。

  四   薬あれこれ入れるポシェット     笑女 雑

 
四句目はお待ち兼ね笑女さんの付番。秋の句数の縛りが解けたところで雑に転じましょう。格式を感じさせる句が三つ続いたので、この句所は「四句目ぶり」と称される軽い味の句でさらりとやり過ごしたいところです。人情は他または自他半、場の句でも構いません。
これらの条件に基づいて呈示された候補5句の中、「常備薬詰めポシェットを持つ」に目が留まりました。目先の変わった句材が軽くて四句目に相応しく、片仮名語も転じに効果があります。ただ、「…詰め…持つ」の表現が散文的で説明の匂いがするところにもう一手間加えたい印象が残ります。
そこでこれに短句らしさを付加する狙いを含めて掲句のように改めました。その第一次案は、初案の句形を活かして下七を「詰める…」としたのですが、打越の「旅」の用意のようにも読まれてしまうのを嫌って、このように改めました。
前句の「眺む」の主体に当たる人物の行為と見立てた、「其人」の手法に従う転じ味の良い四句目が生まれました。

  五  妹は姉に似合わぬ器用者        宗海 雑


前句の「ポシェット」を、手芸好きの義妹が贈ってくれた作品と見定め、そこに軽い俳味を加えた人情他の句です。実はこれに近いことが身近にあったばかりだったので、前句を見てすぐに本句が浮かびました。

  折端  吊り床揺れる薫風の庭         山 三夏


膝送りは早くも二巡目入り。兼ねての目論見どおり同じ付順をもう一遍繰り返すので、折端は4飛び付番の禿山氏が担当します。
一面二季としたいので、夏または冬いずれかの季語を用いて前句を承けること、話の続きとして理詰めで付けようとすると粘りが出るので、さりげなくふわりと付けることをお願いしました。
その要求に応じて提出された候補5句の中の「すず風吹いて庭木刈り込む」に、程良い付味と折端らしい落ち着きを覚えたので、この運辞の順序を入れ替えて「韻字止め」の形に改めました。
なおここでも、当初は初案を活かす心算で「庭木刈り込む涼風の庭」としたのですが、禿山氏から「涼」字が脇にある旨の指摘を受けたことと一句内の「庭」字の重出を嫌って、掲句の句形に治定しました。
(この項続く)
とびぃ
連句
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12/01のツイートまとめ
twryossy

【今日の季語2530】温室(おんしつ):三冬の生活季語。内部の植物を寒気から守るためにガラスやビニールで囲った建物。「室咲き」「室の花」はそこで咲かせた花をいう同季別題の植物季語。◆温室と言ふいつはりに咲けるもの(細川子生) #jhaiku #kigo
12-01 05:00

とびぃ
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