ツイッター笠着百韻「冬晴れや」の巻 (清書)
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※画像はブログ「ひかりあふれる散歩道」より転載

本年1月28日に開巻し3月7日にめでたく満尾を迎えたツイッター笠着百韻通巻第二十九「冬晴れや」の巻が、改訂作業にあたる「校合(きょうごう)」を終えて本治定に至りましたのでその清書を掲載します。

本巻は「初折」から「名残折」に及ぶ四折の百韻形式に則り、巻中に花を四座、月を七座置く「四花七月」の方式に従って付合を進めました。付合は付順を決めず先に付けた句を優先する"先勝乱吟"方式を原則とし、進行と差合などの吟味は宗海(筆者)が務めました。

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  ツイッター #笠着 百韻「冬晴れや」の巻(清書)
                   起首 2016.01.28
                   満尾 2016.03.07

01 冬晴れや欅の落す鳥の影         晶子(三冬)
02  室(むろ)を離れて香る寒独活      宗海(晩冬)
03 燗の酒まはすまとゐや和むらん      関屋(三冬)
04  抜きつ抜かれつ襷(たすき)色々     鯉子
05 乗り降りの人なき山の駅の昼       里代
06  歩み出す道霧が纏わる         蛉(三秋)
07 暫くはいざよふ月を異土に見て      真葛(仲秋/月)
08  秋の名残に響く組鐘(カリヨン)    松翠(晩秋)
初折裏
09 よく通る声と香りで林檎売り        晶(晩秋)
10  アダムとイブの大地広がる       曙水
11 東雲に街のまどろみ解かれゆく       鯉
12  迷子の犬を探すポスター         海
13 避暑地ではいつも揃ひのペンダント     代(晩夏)
14  灼熱の恋夏は早や逝き          葛(晩夏/恋)
15 あの娘(こ)の名付けたダリアに水をやる   晶(三夏/恋)
16  移り支度の捗らぬ午後          屋
17 物憂くて頬杖つけば窓に月         鯉(三秋/月)
18  さんま蒲焼ついすゝむ酒         蛉(三秋)
19 ふるさとの便を開ければ走り蕎麦      海(晩秋)
20  姉のお軽の出を土間で待つ        晶
21 花道を送られ首途の男役          屋(雑/花)
22  辰巳の空に鳶が羽ばたく         代
二折表
23 嗄れて招き声張る歳の市          海(仲冬)
24  あかぎれの手で呉るるのど飴       葛(晩冬)
25 豹の柄天神橋の筋を交ふ          屋
26  祭を囃す笛の高き音           鯉(三夏)
27 冷麦の赤き一本奪ひ合ひ          晶(三夏)
28  母に敵はぬ針仕事する          代
29 行燈を引き寄せちょいと横座り       水
30  緩い扱(しごき)をほどく流し目      海(恋)
31 恋文はレポート用紙不器用に        翠(恋)
32  グラス傾け開くアルバム         屋
33 マジックの種は尽きまじ虚実の世      葛
34  箪笥預金に勝るものなし         代
35 昼月の骨董市の長話            水(月/三秋)
36  鰯で誘ふ雄の三毛猫           晶(晩秋)
二折裏
37 腕の程見せつつ並ぶ菊の鉢         海(晩秋)
38  力石には四股名彫られて         屋
39 大音声ジンギスカンの裔なりと       葛
40  アラサー女子でかこむすき焼き      水(三冬)
41 番小屋の冷めた囲炉裏に灰模様       翠(三冬)
42  加賀友禅を川流しする          代
43 橋渡る電車の音の響く町          鯉
44  ちと手を抜いてラジオ体操        晶
45 不揃いの団子の上に上る月         屋(三秋/月)
46  風船葛日ごと色付く           海(仲秋)
47 大人めき秋の別れと絵暦に         葛(晩秋)
48  空へ続けと磨くガラス戸         晶
49 山城の址を覆ひて花の雲          翠(花/晩春)
50  野のたそがれに遍路笠置く        代(三春)
三折表
51 潮の香に解き放たれる磯遊         鯉(晩春)
52  異国の詩集旅のカバンに         水
53 チケットはネットでゲット寝台車      海
54  清姫またも先回りする          葛
55 筋通す師の横顔の優しくて         鯉(恋)
56  ノートの余白君を描(えが)く夜      屋(恋)
57 溜息を浅く川原に石を蹴る         蛉(恋)
58  青葉の垣に干した長靴          晶(三夏)
59 マイ枕抱へて昼寝保育園          代(三夏)
60  お喋り尽きぬ辻のファミレス       海
61 ものの影逢う魔が時に横切りて       水
62  たゆたふ舟の無事を祈れり        鯉
63 月代の石段明(さや)か金毘羅宮       翠(三秋/月)
64  篠笛吹けば至る新涼           海(初秋)
三折裏
65 地芝居の哀れ敦盛化粧して         代(晩秋)
66  くすくすと咲く制服の女子        蛉
67 広小路先サブカルの電気街         屋
68  空を見上げてみすゞ諳んず        鯉
69 真似だけじゃ済まぬ三猿習性に       葛
70  福笑いとて目鼻散らばる         翠(新年)
71 松風の音鎮まりて初点前          代(新年)
72  駒を留めて嵯峨の枝折戸         晶
73 枳穀(きこく)垣密かにくぐる真夜の月    海(仲秋/月/恋)
74  鬼の子隠す後朝の袖           葛(三秋/恋)
75 かくれんぼとんぼに釣られ見つかりぬ    水(三秋)
76  わらべうたにも時は移りて        代
77 そよ風に揺るる湖水の花の波        鯉(晩春/花)
78  われもわれもと御影供の市        翠(晩春)
名残折表
79 裏小路そぞろ歩めば鐘霞む         海(三春)
80  魚焼く匂ひもはや昼時          葛
81 腰折れの孤老佇む緩(ゆる)日向       蛉
82  両膝つきて探る草の根          鯉(晩夏)
83 継続の力を借りて大事成す         屋
84  パズルの中のモナリザの笑み       代
85 ドローンに下心まで覗かれて        晶
86  冬将軍の構え盤石            翠(三冬)
87 駄目押しの火鉢持ち込む天守閣       屋(三冬)
88  初鶴の声尾根を越え来る         海(初冬)
89 それぞれの鍬の掌止めて眼を交わす     蛉
90  萩散る庭に塗りの駒下駄         翠(初秋)
91 寝ねがてに弦月しばしとどめおき      代(三秋/月)
92  琵琶歌のせて届く秋風          屋(三秋)
名残折裏
93 恋ふる人清方描くひとに似て        水(恋)
94  手差し伸べられ切通し行く        鯉(恋)
95 ひそやかに冬の夕陽に落とす影       海(三冬)
96  伊勢の海より届く寒鰡          代(三冬)
97 サミットは名こそ惜しけれの心で      鯉
98  登る理由はそこにある山         晶
99 ひと息に枡の酒干す花の宴         海(晩春/花)
100 蒲公英の絮(わた)宙にふうはり     翠(三春)

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