ツイッター笠着百韻「猫の子の」の巻 (清書)
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※画像は「猫の『ひなたぼっこ』」より転載


本年4月4日に開巻し、5月31日にめでたく満尾を迎えたツイッター笠着百韻通巻第三十「猫の子の」の巻が改訂作業にあたる「校合(きょうごう)」を終えて、このたび本治定に至りました。その清書をここに掲載します。

本巻はこれまでと同じく、「初折」から「名残折」に及ぶ四折の百韻形式に則り、巻中に花四座、月七座を置く「四花七月」の方式に従って付合を進めました。付合初巡は連衆の顔触れがひととおり出揃うのを待ち、それ以降は付順を決めずに先に付けた句を優先する"先勝乱吟"方式を原則としました。なお進行の調整と差合などの吟味は、捌役の宗海(筆者)が務めました。

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  ツイッター #笠着 百韻「猫の子の」の巻(途中経過)
                    起首 2016.04.04                   
                    満尾 2016.05.31

01 猫の子の招き寄せたる日和かな      宗海(晩春)
02  祠へ続く温き石段           鯉子(三春)
03 春夕べカリスマ主婦を囲み居て      里代(三春)
04  ざわめく庭にひとり眼を遣る      蛉
05 麦秋の丘に郵便配達夫          晶子(初夏)
06  門扉の縁(へり)を伝ふ横這       関屋
07 月今宵帰りを急ぐ歩を止めて       松翠(仲秋/月)
08  案山子の服をコーディネートし     真葛(三秋)
初折裏
09 母真似て朱き酸漿吹いてみる        鯉(三秋)
10  翁佇み眼を細めつゝ           蛉
11 波荒き海に横たふ佐渡ヶ島         海
12  篝火揺れて薪能待つ           代(初夏)
13 二度三度生垣掠め飛ぶ夜鷹         屋(三夏)
14  銀河鉄道停まることなし        曙水
15 恋ふ人の街は今頃草の市          晶(初秋/恋)
16  湖畔の彼を隠す霧雨           鯉(三秋/恋)
17 待つほどに晴れて漕ぎ出す月の舟      葛(三秋/月)
18  松葉散り込む宵の野天湯         海
19 老脚の孫を杖とも柱とも          屋
20  入学式は社会人枠            代(仲春)
21 撓む枝闇夜に浮かぶ花篝          鯉(晩春/花)
22  あえぐ火の玉向かう鞦韆         屋(三春)
二折表
23 皆して見上ぐる先に武者絵凧        翠(三春)
24  コンビニで買ふ海苔のお握り       海(初春)
25 くまモンが背中で揺れる下校道       代
26  カルチエ・ラタンと消印のあり      葛
27 棟梁の吐くけむに笑む鉄線花        蛉(初夏)
28  大ぶり椀で麦湯差し出す         晶(三夏)
29 箸の櫂漕ぎだす汗の強き意志        屋(三夏)
30  インバウンドで都賑はふ         鯉
31 人波を分けてにょきにょき自撮り棒     翠
32  スマホ管理で家計順調          代
33 赤提灯銀杏焼に眼の光る          蛉(晩秋)
34  楊枝銜えて花圃に酔い醒め        屋(三秋)
35 歩かぬ子連れたる帰路に白き月       鯉(三秋/月)
36  砂漠遥かを金色の鞍           葛
二折裏
37 恋文はラムプの精に運ばせて        晶(恋)
38  寝酒注ぐ指細く清らに          屋(三冬/恋)
39 寒灯に物語ある摩天楼           海(三冬)
40  構想を練るヒッチコック氏        葛
41 週末は鳥の塒を友として          代
42  羽毛枕に遠きカウベル          鯉
43 さつき晴れ空を飛ぶかに登頂す       蛉(初夏)
44  緑誇ろふ白神の森            屋(初夏)
45 軽トラのハンドルさばき鮮やかに      翠
46  湾岸行けば昼の弦月           代(三秋/月)
47 七十路は夢のごとくに敗戦忌        海(初秋)
48  ラジオの調べ乱すすいっちょ       屋(初秋)
49 呼び出しが断トツ人気花相撲        葛(三秋/花)
50  筋きっかりと残す帚目          海
三折表
51 天空の風引き寄する糸柳          鯉(晩春)
52  良寛さんは子等とうらうら        晶(三春)
53 姿消す魔法もちゐて苗代田         屋(晩春)
54  打ち捨てられし靴の片方         葛
55 山の手の外人墓地は海へ向く        代
56  寒靄の街香る八角            屋(三冬)
57 君待ちて行きつ戻りつ年の暮れ       鯉(仲冬/恋)
58  思ひ編み目に籠るマフラー        海(三冬/恋)
59 川漁師投網繕ふ見張り小屋         蛉
60  釣船草は風に帆を上げ          屋(初秋)
61 防人の子にも聞こえよ砧の音        水(三秋)
62  夜気の身に入むあしひきの峰       屋(三秋)
63 岩陰にシュラフ畳めば三日の月       海(仲秋/月)
64  何処ぞの土産獏の置物          葛
三折裏
65 皇帝の地中の兵馬起きだして        晶
66  血脈赤く繁る𣜿(ゆずりは)        翠(新年)
67 低き陽に酔ひを残して初蹴鞠        屋(新年)
68  コルバトールの丘に下り立つ       代
69 蔓の先届きそうなる白き薔薇        鯉(初夏)
70  藍染浴衣袖を振りつつ          葛(三夏/恋)
71 右ひじに華奢な二の腕風薫る        屋(三夏/恋)
72  各駅停車次は終点            海
73 今日の月いのち騒立つ海の中        水(仲秋/月)
74  藻に住む虫の乾く間もなし        代(三秋)
75 藤壺の残涙かくすぬくめ酒         屋(晩秋)
76  幼をあやすパパの変顔          鯉
77 綿菓子に舞ひを納むる花吹雪        屋(晩春/花)
78  二人静の隠す恥ぢらひ          海(晩春)
名残折表
79 フーガ聴く春服の肩寄せあひて       代(三春/恋)
80  惚れた男はまたも情無し         葛(恋)
81 海峡の難所過ぎれば港の灯         晶
82  小ママ自慢鮪照り焼き          屋(三冬)   ※小(ちい)ママ
83 他人には読めぬ字並ぶボトル棚       海
84  漬けたる梅は炭酸に溶け         鯉(晩夏)
85 レシートに自分史の種掬ふ日日       葛
86  夫婦の会話犬を挟んで          水
87 稽古着の小紋縫ひ替へちゃんちゃんこ    代(三冬)
88  丘の裸木空にスケッチ          鯉(三冬)
89 入相の鐘に押さるる人の背         屋
90  熟柿ひとつを後生大事に         葛(晩秋)
91 行く秋の置き忘れたる昼の月        海(晩秋/月)
92  ふたりの家路トンボ見送る        水(三秋)
名残折裏
93 大鍋をぐるりと囲むきりたんぽ       代(晩秋)
94  出だし頷き続く輪唱           鯉
95 お隣に噂話をおすそ分け          水
96  木漏れ日浴びるつっかけの脚       屋
97 俳句より俳号に凝る律義者         葛
98  夢うとうとと春はあけぼの        代(三春)
99 さざめきの匂ひ残して花衣         海(晩春/花)
100 野を吹く東風に靡く黒髪         執筆(三春)   ※挙句の「執筆」は鯉子さんが務めました。
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